【日本ダービー 2016 データ】蛯名正義が苦戦する理由

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皆さまごきげんよう、多幸です。

重賞レースの注目ジョッキーにスポットを当てて検証してみます。

今回は、5月29日に東京競馬場で行われるメインレース、日本ダービーに出走予定である有力馬「ディーマジェスティ」に騎乗予定の、蛯名正義騎手のデータにスポットを当ててみたいと思います。

デビューして30年目を迎え、国内外・地方統一を合わせてGI29勝を挙げている蛯名正義騎手は、牝馬3冠に加えて皐月賞2勝・菊花賞も勝っているにもかかわらず、何故か日本ダービーだけは勝った事がありません。

今までの騎乗を観ていると決して手が届かない訳ではなさそうなのですが、何故か勝てない・・・データでは何か傾向が出ているのでしょうか。

そして今年こそ大願成就・悲願達成となるのでしょうか?

(特に追記の無い限り、データは1990年以降に行われた1月~6月の3歳戦(旧表記の4歳戦を含む)・東京芝2400mに限定したデータを使用しています)

2着2回に3着1回、あと一歩までは来ているのに、蛯名正義が何故か勝てない日本ダービー

誰が言ったか、「現代競馬の七不思議・ダービーだけ勝てないジンクス」

GIを何回も勝っている騎手なのに、何故か競馬の祭典である日本ダービーだけは勝てないと言うケースは、決して今だけの話ではありません。

少し前になると現調教師の河内洋騎手、もう少し前になると亡くなられた小島貞博騎手や、現調教師の柴田政人騎手など・・・ダービーを勝たせてくれと願う騎手は少なくありません。地方に目を移しても6800勝以上の勝ち星を挙げている南関東の英雄・的場文男騎手が、何故か大井競馬場で行われる東京ダービーだけは勝てていないと言うのが未だに続いています。

蛯名正義騎手も日本ダービーは2着2回に3着が1回とあと一歩までは迫っているのですが、勝った事はありません。

何か理由があるのかと考えてしまいます。

オークスも皐月賞も2勝していて、クラシックと無縁と言う訳でも無い

蛯名正義騎手と言えばアパパネによる牝馬3冠と、距離不足が懸念されていた桜花賞馬のウメノファイバーで制するなど、オークスは2勝している騎手です。

オスとメスの違いはあれど、生涯唯一の晴れ舞台で結果を全く出せていない訳でもありません。

むしろ体調管理やメンタル面の意地が難しい牝馬3冠を達成するのは、かなり高い難易度です。

皐月賞も2014年のイスラボニータ、今年のディーマジェスティで2勝を挙げていて、決してクラシック路線に無縁と言う訳でもありません。

ならば、なぜ蛯名正義騎手が日本ダービーを勝てないのかと言う点を、これまでの騎乗データから炙り出してみたいと思います。

そもそもの理由として、スタートが抜群に上手い訳では無い

アラフォーの競馬ファンである皆さんなら、首を縦に振って「うんうん」「そうそう」なんて頷いてくれると思うのですが、90年代の蛯名騎手と言えば「スタートで出遅れる方の蛯名」とか「エビショーの短距離戦は買うな」なんて格言があるぐらい、とにかくスタートで出遅れる傾向がありました。

もちろんずっと下手だった訳ではありませんし、2000年以降を見ても極端なスタートミスはそうそう滅多には見られません。

むしろ安定して普通ぐらいをキープ出来ているどころか、無難にこなせているので上手い位なのかもしれません。

しかしデビューした頃からどうしても癖が抜け出せないのか、レース全般で言える傾向があります。

それは、中団や後方から競馬する事が多いのです。

逃げたり先行する事が出来ない訳ではありませんが、他の騎手に比べてその比率は非常に高いものがあります。

これは末脚を温存させながら騎乗する、日本的な競馬に慣れ親しみ対応し続けてきた結果とも言えるので、一概に悪い事ばかりではありません。

末脚を貯め過ぎてしまう傾向もあるが、切れ味・上がりタイムは変わらず

しかし、この末脚を温存させる傾向が東京の芝2400mでは、時に仇となる事があります。

牡馬も牝馬も3歳春の頂上決戦を行うコースで行われるGIレースですので、逃げ馬のトップクラスや先行馬のトップクラスも勢揃いします。

そうなると、最後の直線で簡単にバテてしまう馬もそうそう多くありません。末脚だけで何とかなるほど甘いコースでもレースでも無いのです。

距離以上に精神面でも肉体面でも、極限のタフさが要求されるレースがGIだと多くなります。

そして何よりも蛯名正義騎手は、平場のレースを含めて「東京の芝2400mを最も勝っている騎手」なのです。

これは極限状態のGIレースでは、普段のレース(未勝利など)で勝ってきた時と全く違う感覚を求められている点も、無視できません。

蛯名正義騎手のウィークポイントとしては、総合的なタフさが求められるレースで末脚勝負に出ても、切れ味が増加しない(上がりのタイムがそんなに早くならない)事が言えます。

ここに日本ダービーだけが勝てない理由が隠れていそうです。

上がり3ハロンが6位以下の確率は60.33%、4位以下の確率は76.86%

1990年以降の膨大なデータを対象に集計を行ってみますが、比較しやすい対象として同じく美浦に所属し、平場のレースでも多く勝っている横山典弘騎手(日本ダービー2勝・オークス1勝)と比較してみましょう。

さらにどれだけ違うのかと言う点では日本ダービー5勝・オークスでも3勝を挙げているの武豊騎手とも比較してみたいと思います。

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率
蛯名正義 15-12-2-94/123 12.20% 22.00% 23.60%
武豊 12-9-9-47/77 15.60% 27.30% 39.00%
横山典弘 9-9-10-87/115 7.80% 15.70% 24.30%

まずは、未勝利からGIまでの単純な成績ですが、15勝と蛯名騎手がダントツです。

重賞になれば武豊騎手が10勝でダントツになるのですが、そのあたりのコース実績はさておいて、今回注目するのは「終いの脚をしっかり引き出せているのか」と言う点です。1990年以降で上がり3ハロンの順位を集計してみました。

後ろで競馬する事が決して悪い事では無いのですが、最後の決め手でどれ程までに苦戦しているのか?

まさに「ここが弱いから勝ち切れない」と言う点を明確に示しておきたいと思います。

まずは、蛯名正義騎手

蛯名正義 通算 重賞 GI
3F1~3位 28 23.14% 11 18.03% 7 17.50%
3F4位~ 93 76.86% 50 81.97% 33 82.50%
3F6位~ 73 60.33% 41 67.21% 28 70.00%

GI29勝を挙げる様な騎手ですから、実績は決して悪くないどころか、むしろ良いものなんです。

ところが、総合力を問われる東京芝2400mで最多の15勝を挙げているのに、上がりの早い脚を引き出しきれた!とも言えそうな上がり3位以内になったのは、全体でも23.14%。

GIに限っては17.5%。およそ6回に1回しか無い計算になります。

そしてクラスやメンバーレベルが上がるにつれて数字が悪くなっている=末脚の威力が落ちている点が明らかであるのを、他の騎手とも比較してみましょう。

続いて、横山典弘騎手

横山典弘 通算 重賞 GI
3F1~3位 32 28.83% 18 32.14% 10 27.78%
3F4位~ 79 71.17% 38 67.86% 26 72.22%
3F6位~ 60 54.05% 32 57.14% 21 58.33%

こちらは国内・地方通算でGI30勝の名手。今となっては「後方待機で何もしない騎手」などと一部では叩かれていますが、東京の芝2400mに限って言えばそんな事ばかりしている騎手でも無いのです。

確かに早い上がりを毎回バンバン出して来ている訳では無いですが、GIでも27.78%と言う数字は立派です。

平場戦からしても23.14%だった蛯名正義騎手よりも28.83%と割合が高めですし、重賞やGIでも数字の変動する度合いは蛯名正義騎手ほどは目立っていません。

日頃のからの積み重ねとも言えそうですが、この違いがダービー2勝と言う結果をより確実に招き寄せてきたのでしょう。

最後に、武豊騎手

武豊 通算 重賞 GI
3F1~3位 27 36.99% 20 39.22% 17 37.78%
3F4位~ 46 63.01% 31 60.78% 28 62.22%
3F6位~ 32 43.84% 22 43.14% 19 42.22%

まぁ、ここまで来るとリンチみたいなものなのですが・・・蛯名騎手とは同期の30年目、日本ダービーは最多の5勝を挙げている騎手ですが、東京芝2400mで乗るとかなり高い割合で末脚の威力を発揮しているのが良く分かるかと思います。

そして大勝負で強い騎手だけにGIで37.78%と圧倒的なハイスコアで、上がりの脚を引き出し切っています。

注目はそれだけではありません。上がり6位以下の割合もどれ一つとして5割を超えていないのがお分かりでしょうか。

蛯名正義騎手は平場でも全体の6割ものレースで、上がり6位以下に甘んじてしまっている事を考えると、普段から勝っているからと言って特段得意にしていると言う訳でも無いのが分かるかと思います。

言葉を選ばず言えば蛯名正義騎手は「勝てる条件が限られている」のが、武豊騎手と数字の面で比較しても分かってもらえるかと思います。

他の馬がバテるなどして展開の利をしっかり活かしている点では、蛯名正義騎手は運も味方にしているのですし「レース巧者」とも言えます。

でもまぁ、それを「他力本願」と言われればそれまでなんですが・・・(笑)

今回のダービーは、他の馬に脚を使わせる「あの馬」が居ない

上がりの強烈な脚で皐月賞を制したディーマジェスティですが、前哨戦となる共同通信杯でも最後の最後に差し切るなど、末脚は確かに世代トップクラスと言えます。

しかしレース結果を良く見てみると、共同通信杯は先行勢にキツイ流れで、スローペースを差して勝ってきた他の馬もペースに付いて行くので精一杯。ディーマジェスティが最後に悠々と差し切ったと言うレースでした。

皐月賞も先頭が途中から入れ換わり、早い時計で決着しましたが最後の最後に差してきたディーマジェスティは、かなり先行勢がバテ始めてから伸びが目立つなど、決して自力だけで差し切った訳でもありません。

実はこの2走とも序盤で逃げた馬は同じです。

それはリスペクトアースと言う馬です。この馬のおかげで皐月賞は史上稀にみるレースレコードを達成する事が出来ました。

他の騎手も苦労するほど全体のペースが上がって、他の馬の末脚の威力が削がれるようなら、漁夫の利で蛯名正義騎手にも大チャンスが巡ってきそうです。

ですが、今回の日本ダービーにはリスペクトアースの登録はありません。

序盤からグイグイとレースを引っ張る馬が居ない事で、どの馬も末脚を温存させることが可能になりそうです。

他の馬がバテるなど展開待ちのディーマジェスティにとっては、マイナスになる事はあるにせよ、プラスにはならない事ばかりになります。

データの結論としては、今年は2冠達成が不可能

昨年はドゥラメンテが中山コースで大きく斜行しながらも発揮した脅威の末脚から始まり、日本ダービーは好位から堂々と抜け出して後続を完封して、2冠達成となりました。

ですが、昨年より時計こそ早くなったものの中身は全く別物で、前を引っ張る馬が居てオーバーペース気味に流れた展開が合ってこそ・・・の皐月賞勝ちなので、ディーマジェスティに合う様な展開ははっきり言って望み薄です。

しかも差し比べになれば騎手データが著しくマイナスになると言う結果に。

これで昨年に続く皐月賞・日本ダービーの2冠を望むのはかなり酷だと言えます。

決して下手では無く、むしろ名手とも言える大ベテランの蛯名正義騎手。データを覆すだけの一世一代の大奮起にも期待してみたいところです。

以上、日本ダービーのデータ「蛯名正義が苦戦する理由」でした。

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Posted by 多幸


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